中国ってどんな国?

中国――それは「国」というより、もはや「文明」という名前の別世界である。地理的にも、歴史的にも、経済的にも、そして文化的にも、あまりにも巨大で複雑すぎて、正面から理解しようとすると脳みそがショートしかねない。この記事では、その中国という“よく知られているようで、実は全然知られていない隣人”を、ざっくばらんに、でもちょっとだけ深掘ってみる。
目次
- 数字が物語る、異次元のスケール感
- 歴史は長いが、リセットも激しい
- 政治システム:鋼のような統治、絹のようなPR
- 経済:資本主義っぽいけど社会主義(風)
- デジタル世界:ネットは広いが壁も高い
- 文化の爆発:昔も今も自己主張強め
- 結論:中国は中国であり、そして中国だけである
数字が物語る、異次元のスケール感
まず、中国を語る上で避けて通れないのが「スケールのバグ」である。人口は約14億人。世界の全人口の約18%がこの国にいる。つまり、地球上の5人に1人は中国人。どこかのパーティーで人が5人集まれば、理論上1人は「你好」と言うはず(言わないけど)。
その人口を支えているのが、都市化のモンスターっぷり。北京、上海、広州、深圳…都市の名前を挙げればきりがないが、それぞれが単独で一国の経済を超える規模を持つ。ちなみに、深圳はたった数十年で「漁村」から「テクノロジーの要塞」へと変貌した。
歴史は長いが、リセットも激しい
中国の歴史を語るとき、人は大体黙る。だって4000年以上ある。黄河文明から始まり、秦の始皇帝、漢王朝、唐、宋、元、明、清…とまあ、歴史の教科書がギュウギュウになるほどの王朝ラッシュ。そして今は、共産党による「中華人民共和国」というモード。
面白いのは、中国が定期的に「ガラガラポン」する癖があること。王朝が腐敗→民衆ブチ切れ→革命→新体制→また腐敗→(以下ループ)という、ある意味で壮大なリブートを起こしている。そのたびに文化も制度も社会構造もごっそり変わるけど、なぜか「中華」の魂だけはしぶとく残る。執念の文化遺産といえるね。
政治システム:鋼のような統治、絹のようなPR
政治的には、現在の中国は一党独裁体制。中国共産党が国家をガッチリ運営している。「民主主義じゃない」と指摘する人もいるが、中国側からすれば「だから何?」くらいのテンションでスルーしてくる。彼らにとって重要なのは、「安定」「発展」「社会秩序」。この三つを軸に、驚くべきスピードで近代化を推し進めてきた。
報道の自由や言論の自由は制限されがちだが、その代わりに「成果主義」のような側面がある。都市のインフラ開発、教育の拡充、医療制度の近代化など、目に見える成果を出すことで支持を維持している。まるで巨大企業がCEOを中心に経営されているような感じで、国というより「株式会社中国」みたいな印象も受ける。
経済:資本主義っぽいけど社会主義(風)
経済に関しては、もはや説明不要なほどグローバルプレイヤー。製造業の中心地から始まり、今ではAI、電気自動車、5G、宇宙開発まで手を伸ばしている。なんでそんなに元気なの?
中国は「社会主義市場経済」という不思議なハイブリッドを名乗っている。国家の強い統制がある一方で、企業は資本主義顔負けの競争をしている。アリババ、テンセント、ファーウェイなどの巨大企業がその象徴だ。とはいえ、国家が「ちょっと調子乗った?」と感じたら、すぐに是正されるという怖さもある。自由に泳がせるけど、網の外には出させないという感じ。うん、まるで親にWi-Fiのパスワードを握られた子供みたいだね。
デジタル世界:ネットは広いが壁も高い
中国のインターネット事情も独特である。Google、YouTube、Instagram、Facebook?全部ブロック済みです、ありがとうございました。その代わりに、百度(Baidu)、微信(WeChat)、微博(Weibo)、抖音(Douyin、TikTokの中国版)など、国内発のプラットフォームが覇権を握っている。
その結果、中国のネット世界はある意味「別のインターネット宇宙」となっている。グレート・ファイアウォール(国家によるネット検閲)によって守られて(?)いるが、そこでも人々は独自の文化を形成し、情報を発信し、消費している。ちなみに、ショート動画のノリが超早い。10秒以内に笑わせてこなきゃ即スワイプされる地獄。
文化の爆発:昔も今も自己主張強め
漢字、京劇、功夫、点心、風水、そして現代では中国アニメ、アイドル、ライブ配信…。中国文化は伝統も現代もクセが強くて、しかもそれを惜しげもなく外に放出してくる。アニメだと思ってたら突然儒教の思想を説いてくるとか、TikTokのダンス動画に唐詩をぶち込んでくるとか、そういうギャップ芸が得意。
国外では「ソフトパワー」としての中国文化がじわじわ浸透しており、実際に中国語を学ぶ人、漢方にハマる人、歴史ドラマを見る人なども増加中。グローバル化の波に乗りつつ、しっかりと「中華ブランド」を確立しているあたり、なかなか商売上手である。
結論:中国は中国であり、そして中国だけである
中国をひとことで言い表すのは難しい。というか、無理。あまりにも広く、深く、そして矛盾すら抱え込んで前進する国だから。近代と伝統、自由と統制、個人と集団、資本と社会主義…これらが共存しているのが中国の凄みであり、ややこしさであり、魅力でもある。
もし「中国ってどんな国?」と聞かれたら、こう答えるだろう。「思ってるより大きくて、複雑で、そしてたぶん、ちょっと怖い。でも、それ以上に目が離せない国だよ」と。