シューマン宣言とは? EU統合の原点(1950年)【第3回】

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シューマン宣言第3回

目次

シューマン宣言とは? EU統合の原点(1950年)【第2回】

シューマン宣言とは? EU統合の原点(1950年)【第2回】

第2回は、ECSCという“はじめての共同生活”がどう始まり、どうEUへと発展していったのか、そのリアルな足取りをたどっていく。理想は口で言えるけど、実行には根気と調整力が必要だった。

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3. 日本人にも知ってほしいシューマン宣言の意味

ヨーロッパの話なんて遠い世界のこと…と、思っている。うん、だいたいの日本人がそう。でもシューマン宣言の考え方は、日本にとっても無関係じゃない。むしろ、他人事にしちゃもったいない。


3-1. 国家間の協調の重要性:日本に活かせる視点とは

日本は、戦後の平和憲法1のもとで「戦争しません!」と大きく宣言してきた国。でも、それって自分だけが言っても成り立たない。平和って、相互的なものだから。ここでシューマン宣言の「共同で資源を管理して戦争を不可能にする」という考え方が、参考になる。

たとえば、東アジア。中国、韓国、北朝鮮と、まぁまあ不穏な空気が漂ってる地域。そこで、「なんかあったらケンカ」ではなく、「経済とか資源とか文化でまずは共同管理してみない?」という発想が出てきてもいいはず。…まあ、現実は甘くないけどさ。

でも、シューマン宣言がすごいのは、「まずは小さい一歩(石炭と鉄)」から始めたこと。いきなり夢のような統一を目指すんじゃなくて、「とりあえずケンカ道具はシェアしよ」ってところから始まってる。日本も、たとえばエネルギーの共有とか、防災協力とか、できるところから信頼構築していく方法はある。

あくまで“国家”レベルの話なんだけど、隣人と挨拶すら交わせない関係地獄に日本は挟まれている。


3-2. 歴史教育と国際理解:なぜシューマン宣言を学ぶべきか

さて、日本の教育現場で「シューマン宣言」を深く扱ってるかっていうと…うーん、微妙。たぶん高校世界史の一節で、「1950年、フランスのシューマン外相が欧州石炭鉄鋼共同体を提唱」くらいで終わる。それって、もはやWikipediaの1行目より短い情報量

でも本来、歴史って「覚えるもの」じゃなくて、「理解して使うもの」。特にこのシューマン宣言は、現代の国際関係や、平和のあり方、協力の仕組みを考えるうえで、超ヒントになるやつ。テストのために覚えるだけじゃ、もったいない。

そしてもうひとつ。「自分の国だけじゃなく、他国の苦悩と努力を知る」っていうことは、国際理解の基礎でもある。つまり「世界を自分の目線だけで見るな」という訓練になる。これができれば、ネットで拾った雑な国際情報に踊らされて「海外=やばい」ってすぐ言っちゃう癖も、少しはマシになるかもしれない。


3-3. 5月9日は「ヨーロッパ・デー」:記念日の背景とその意義

さて、最後にちょっと豆知識。5月9日、つまりシューマン宣言が出された日は、現在「ヨーロッパ・デー」としてEU圏では祝われている。…え?何するの?って?知らん、EUの人たちに聞いてくれ。でも一応、学校でイベントがあったり、EUの旗を掲げたり、歴史に思いを馳せたりするらしい。日本の「文化の日」よりは内容があるかも。

この「ヨーロッパ・デー」は、ただの記念日じゃない。大事なのは「かつて殺し合っていた国々が、今は祝日を共有してる」という事実。それってものすごくない?日本でいうと、たとえば戦国時代の敵対大名たちが「桶狭間記念日」で仲良くBBQするようなもん。ありえん。けど、EUではそれが現実になった。

だからこそ、5月9日という日は、「過去の対立を超えて未来を創る」という人類の可能性を示している。ヨーロッパ人だけでなく、世界中の人にとって学ぶべき象徴。それを無視して「今日何の日?たぶん火曜日」って言ってる場合じゃない。

シューマン宣言とは? EU統合の原点(1950年)【第1回】

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第二次世界大戦の瓦礫の中、かつて殺し合っていた国々が「もうちょっと仲良くやっていかない?」と真顔で言い始めた瞬間がある。

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シューマン宣言とは? EU統合の原点(1950年)【第2回】

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第2回は、ECSCという“はじめての共同生活”がどう始まり、どうEUへと発展していったのか、そのリアルな足取りをたどっていく。理想は口で言えるけど、実行には根気と調整力が必要だった。

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参考・出典:

ヨーロッパ統合史 名古屋大学出版会

【世探704】詳説世界史 山川出版

欧州委員会(European Commission)公式サイト

  1. 日本国憲法の通称。特に第9条で戦争放棄と戦力不保持を定めており、戦後日本の外交・安全保障政策の基本理念となっている。

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